以前兵庫県に在住していた主婦(S)様から、築13年の建売住宅のマイホームを売却した体験談の紹介です。
家族は、主婦の私と会社経営の夫、子供2人の4人家族。
これから、思い入れのあるマイホーム売却に至った経緯と売却の決め手は知人から始まった売却体験談を紹介します。
マイホーム売却の理由
私が13年間住み続けたとても居心地もよく想い入れのあるマイホームを売却することになったのは海外移住の為です。
13年前 結婚してすぐに新築のマイホームが欲しくて実家の近くでいろんな家を見て回りました。
なかなか希望の条件が揃う家を見つける事が出来ずにいましたが、一緒に探してくれていた不動産会社の紹介で、まだ建築途中のその家を紹介して頂きました。
周辺環境の便利さや実家からの近さ、そして何より間取りやデザインに一目惚れして即決。
建売業者さんが売り出し広告を出さずに済んだ為その分、壁紙や天井、キッチンのキャビネットの色など殆ど私が選ぶ事ができ、家の中や外回りの素材のクオリティを上げて頂くことが出来ました。
これはこの時に巡り会ったその建売業者さんがとても良かったのだと思います。
13年間の長期にわたり家族で過ごした我が家には、たくさんの思い出が詰まっています。
特に幼少期を過ごした子供達には、地元の幼なじみと慣れ親しんだ楽しい日々は代えがたいものがあるはずです。
我家は角地だった事もあり、小さいながらも玄関前と西側面全体には地植えが出来る花壇を配置し、木や花もいっぱい植え込んで毎年綺麗に季節の花を咲かせていたので、他人の手に渡るということはなんだか寂しい気持ちでいっぱいでもありました。
10年以上も地域に根ざした生活を送り、なごり惜しいですが、新天地での新しい生活に向け、移住計画に合わせた売却を進めることになったのです。
何も判らずからスタートしたマイホームの売却
まだ住宅ローンも残っていて、どうすればよいのか全く判らずの売却計画のスタート。
その当時、不動産会社の「売り物件探しています」など書かれている広告をよく目にしていたので、とりあえずインターネット経由で大手の不動産会社数社に問い合わせてみる事に。
するとすぐに問い合わせた全社から連絡が入り、それぞれの不動産会社のスタッフが自宅を見に来ました。
私は不動産会社が家を見に来るということは、おそらく家の価格を査定しに来てくれるのだと思っていました。
ところがどこの不動産屋さんも、とりあえず「自分で家に希望売出価格を付けて、このまま広告に出して購入希望者を待ちましょう」というお話だったのでかなり不安になりました。
移住は既に数ヶ月先、「今から購入者を待っていて間に合うのだろうか?」という心配と購入希望者が次々に家を見に来たりしたら、まだ生活をしてる家の中を案内しないといけないという事。
それはなんだか、「落ち着いた生活がおくれない」と思いました。
不動産会社のスタッフさん達はみなさん礼儀正しくて感じの良い方ばかりです。
しかし、広告に出した後のいろんな場面を想像してみると、なんだか面倒で嫌な気持ちになりそうな気がして大手不動産会社にお願いするのを少し躊躇し見送っていました。
結局、その後も何度か連絡を頂きましたが最後までどこにも依頼しませんでした。
絶妙なタイミングで頂いたマイホーム購入希望者の紹介
すると偶然に友人の知り合いの不動産屋さんで、家を直接買いたい人がいるので紹介しましょうかというお話を頂きました。
私がその友人に移住の話をしなければこの紹介はなかったと思うと絶妙なタイミングで頂いた紹介だったと思います。
とりあえずその方に家に来て頂いてお話を聞く事に。
その方のお話では銀行にお金を預けていても増えないので、投資として家を買い取り後とりあえずそのままの状態で賃貸で貸し出すというもの。
それから数年後、リフォームして売り出そうと思うとのことでした。
我が家は室内犬三匹と小さい子供二人もおり、室内の壁紙や窓の桟など、いろいろとダメージを受けていましたが、希望していたくらいの額で買い取って頂けるというお話で私もその場で決断承諾。
とにかく移住前に全て綺麗に事を片付けたかったこと、私の希望日に引き渡しを行ってくれることなどもありましたが、こちらの都合に合わせて動いて頂けたのでとても助かりました。
築13年のマイホームの値段とホームローン残額
私が13年前に購入した新築建売住宅は、4LDK1ガレージ鉄筋コンクリート三階建て。
三つのバルコニーが有り、そのうち一つはとても広いバルコニーでお気に入りでした。
当時購入した価格は2980万円。
頭金なし
三菱東京UFJ銀行
35年住宅ローン、固定金利2%半ば
そこに色々な手数料を含めて最終的に3200万円程、頭金なしで全て東京三菱UFJ銀行の35年住宅ローンに組みました。
13年間、毎月12万円くらい払い続けても、まだ1800万円近くローンの残金があったと思います。
13年築の家の売却価格は実際のところどれくらいが相場なのかよく判りません。
住宅ローンが完済出来ればそれで良かったので、近い価格を提示して頂いたのでそれ以上こだわることはしませんでした。
結局購入者の不動産屋さんの買取額1750万円。
ローン残金50万円と司法書士手数料を払い、住宅ローンを完済!
権利書を手渡して登記手続きをして頂き、なんともあっけなく売却が行われました。
大手の不動産会社とは違い、直接買取するので仲介手数料がかからなかった事も幸運でした。
短い期間で契約を交わし、私の移住日程の都合通りに手続きを済ませて頂き、とにかく全て綺麗に片付けてから移住したいという願いを叶えることが出来たのは、やはりここでも巡り会わせた人が良かったのかなと思います。
時の運も左右するマイホーム売却
家を買うのも売るのも、やはりそこに関わってくる業者さんや周りの人との出会いはとても大事だと思います。
でもこれはその時の運も大きく左右するだろうなと実感します。
私の場合、タイミングよく売却できて本当に運が良かったと思いますが、もちろん実際にはそこに色々な努力も必要かと思います。
まず情報収集して数社への見積もりを取ったり販売方法を聞いたり。
もちろん大手不動産会社を通して広告へ出す場合は、仲介手数料がいくらなのかも大事なところだと思います。
その中で業者や購入者と気持ちよい取引が行える事。
まだ生活しているところに購入希望者が家を見に来るという事自体が、まず私の中では気持ちのよい取引ではありませんでした。
そこを妥協しなかったからこそ、私の都合の良い方向に事が進んだのかもしれません。
まだ生活をしているマイホームに購入希望者が現われた時、知らない人が入り込んでくることに抵抗のない人はいないのではないでしょうか。
家の売却を考えておられる方は、直接買取してくれる不動産会社を探してみるのもよいかもしれませんね。
[売却後に感じるマイホームの価値]
家の売却の理由は人それぞれ様々なので一概にこうした方が良いと言うのは難しいかもしれませんが、今回の売却で私が強く感じたのはやはり住宅ローン残金との売却価格のバランスです。
売却価格が住宅ローン残金に充たない場合、不足分を一括で補填しなければならないからです。
住宅を購入して何年も住んでいると当然のごとく住宅価格の価値は下がっていくわけで、土地がよほど高騰しない限り最初に提示されている住宅価格よりも実際の価値は下がります。
また住宅ローンを組めば、住宅購入価格に更に金利分を上乗せして支払っている状態になるので、売却時にバランスが取りにくくなるのは当然だと思います。
結局、私の場合は住宅ローン完済の為に一銭の財産にもならなかったマイホームですが、今では13年間の家族で過ごしたたくさんの思い出と共にしっかりと私の心の財産にもなっています。