一生に一度の買い物であるマイホーム、その後悔も一生ものです。この記事では、一級建築士である私が実際にマイホームを購入した体験談を交え、購入を検討している方の手助けになるような情報を提供していきます。
マイホーム購入を決意した訳
私は子どもを三人持ち、親が建てた二階建て6LDKに三世帯で生活をしておりました。築30年ほどで表立った不満もなく、自分の家を購入する夢は漠然と持っていましたがそれを実行する経済力はありませんでした。
そんな折、二つの要素が偶然舞い込んできました。その要素というのは「土地の提供」と「家の購入希望」です。妻の両親から使わなくなった畑を頂き、また、我が家を高値で購入したいという方も同じ時期に現れました。
こうして幸運なことにマイホーム購入に対する経済力の問題を解決することが出来たのです。経済力の問題が解決したことで、妻の両親の介護にも便利になりますし私もやはりマイホームが欲しかったので頂いた土地に家を建てる決心をしました。
マイホーム選定までの流れ
私はハウス展示場の訪問→建築会社、工務店の決定→予算、希望設備の打ち合わせという流れでマイホームを決定しました。ハウス展示場ではとにかく外観や内装に重点を置くことに気を付けました。
設備の方は後からいくらでも変更できるからです。自分はフローリングだけでもよかったのですが、妻はどうしても畳の部屋が欲しいとのことでしたので、やはり家族間の意見のすり合わせは大切だと思います。
マイホーム購入時の注意点
さて、ここからは私がマイホームを購入した経験を通して感じた。購入時特に気をつけるべきことをいくつ書いていきたいと思います。
- とにかく相談する
マイホームの購入で私が一番大切だと考えるのが建築会社、工務店の担当スタッフとのコミュニケーションです。とにかく自分の希望、分からないことをどんどん担当に話しました。
相手はプロですのでさまざまな提案をしていただけますし、質問にも答えてくれます。建築作業中も同様です。私は家の建築中月に五回は現場を訪れ、逐一要望などを伝えていきました。めんどうな客だとは思われたでしょうがおかげで現在自宅に後悔はありません。
- 予算にこだわらない
予算は確かに大事ですがこだわりすぎると後々後悔することになります。私の友人は家の外壁を予算内で済ますため安いものにしたため夏は部屋中が暑く、冬は暖房をかけても暖まらないという状況に置かれています。
多少の予算オーバーには目をつむりとにかく妥協せず計画を立てました。
- 子どもへの配慮
やはり安全面についてはこだわるべきだと思います。子供のことを考え階段の段差は比較的小さく、また、ガスを使わずオール電化にすることによってキッチンも危険がないよう配慮しました。
オール電化にすることによって床暖房などの設備を取り付ける事が出来たのも良かったです。
また、子ども部屋の間取りも気を付けたポイントです。私の家は男の子が二人、女の子が一人なので、仕切りで隔てられた二部屋と少し大きめな一部屋を計画し子どもの成長に合わせて間取りを変えられるような工夫を取り入れました。
購入後の進捗状況
当初は6カ月での完成を予定していましたが、建築会社の方や設計士、職人の方の尽力のおかげで予定よりも早く完成させて頂きました。水回り設備の取り付けで多少予定が滞りましたが、こまめに現場を訪問していたおかげで比較的早く対応することが出来ました。
訪問するたびに差し入れを買って行っていたのでその出費が痛かったかもしれません。
契約時状況
参考までに私の購入したマイホームの費用内訳とローン、加入保険についてを掲載しておきます。
土地100坪
建築面積120平米
建築費 2800万円
工事代(土地整備など) 400万円
諸費 300万円 計3500万円
ローン 十六銀行 変動金利30年 月々返済10万円
保険 三大疾病団体信用生命保険 火災保険・地震保険10年 8万円
家を建ててみて
最終的には予算はかなりオーバーしてしまいました。しかし家族の意見の尊重、子ども達の安全への配慮、オール電化や床暖房、暖房壁などの設備、いずれも不満がない最高のマイホームを建てることが出来たと思います。
妥協したところを強いて挙げるのであれば土地を妻の両親から譲り受けたので周辺環境は吟味する余地がなかったということでしょうか。
ただ、そのおかげで土地代を家の建設費に充てる事が出来たので不満はなく感謝をしています。そういった点や工務店、建築会社の人の献身的な協力などマイホームを建てるのにあたってコミュニケーションは重要な要素であるということをひしひしと感じました。
マイホーム購入を考えている皆さんへ
繰り返しになりますがマイホームは私たちの人生に寄り添ってくるものです。購入するにあたっての手間や費用は多大なものになりますが、そこで妥協してしまうと一生後悔が付きまとうことになります。
私の体験談の場合、土地代にかけるお金が少なく済んだのであまり参考にならなかったかもしれませんが、住宅所得資金贈与の非課税特例や住宅ローンなどのさまざまな経済面補助の制度があります。それらを駆使して理想のマイホームを手に入れてください。