三重県在住の39歳の会社員様から、ハウスメーカーで建築したマイホーム購入体験談の紹介です。
現在は妻と3人のこどもの家族5人で暮らし、28歳で家を建てて11年が経ちます。
【理想の家づくりはまず理想を捨てること!?】
私はこどもの頃から自分の理想の家を建てるという夢があり、遊びはチラシの裏に家の外観や間取りを描くことというくらい、マイホームに強い憧れを持っていました。
そんな私が28歳で自分が描いたとおりの家を建てたときは、自画自賛になるかも知れませんが、我ながら完璧だと思いました。
友人の何人かが同じ間取りを真似して建てたほどです。
しかし、家を建てた当時に考えていた10年後のライフスタイルと現実は大きく異なるものになっています。
そして完璧だと思っていた設計プランにも不便さや効率の悪さを感じるところも出てきています。
「家は3回建てないと理想の家にならない」
と言われますが、それは結婚、子育て、親との同居、老後など、ライフスタイルの大きな変化が3度あるということだと私は考えています。
その変化が起きるたびに、必ず理想の家は変化します。
ライフスタイルの変化に合わせ、家を建て替えることは簡単ではありません。
どんな変化があっても常に理想の家であり続けるためには、まず今持っている理想を一旦捨て、固定観念にとらわれずに柔軟な発想で家づくりをしていくことが重要です。
買いたいときが買い時
現在の家を建てる前、私は会社が借り上げた小さな一軒家に住んでおり、外観や間取りにも不満がありました。
そんなとき、こどもを連れて遊びにいった住宅展示場で見たヘーベルハウスの真四角なフォルムを見たとき、「これこれ、これが思い描いていた理想の家だっ!」と一目ぼれをしたのです。
妻には申し訳ありませんが、初恋以来の胸のトキメキ。
幼い頃からの夢が一気に膨らんだ当時の私は、頭金のこと、ローン返済のこと、メンテナンス費用のこと、ノープランです。
そんなことは全く考えていません。
欲しいものは欲しい、ただそれだけです。
今考えるとあぶなっかしいですが、今となっては突然の決断でしたが本当に良かったと思っています。
そして「家を買うぞ!」と不安げな妻をよそに、ヘーベルハウスを中心に各社営業マンに連絡を取ることになります。
努力で解決しない!最優先の4つの条件
突然始まったマイホーム購入ストーリーですが、立地・費用など制約は必ずあります。
その制約の中で選択を迫られますが、これだけはゆずれない条件は4つです。
- 昼夜問わず静かな環境であること
良い家であっても、騒音があっては心を落ち着かせて休むことはできません。
家とは建物だけでなく周辺環境も含めてのものだと思います。
100年後の周辺環境までは想像できませんが、5年・10年であれば周辺の開発計画などの情報を収集することは可能です。
- 小学校・中学校と駅までの距離が、徒歩15分圏内にあること
当時こどもは2歳でしたが、通学というライフスタイルの変化に備え、リスクはもちろん、徒歩・自転車・公共交通機関・車での送迎などを柔軟に対応できる環境であること。
- 平地であること
外に出かけることが好きな家族であることと、老後のライフスタイルを考えて、勾配がなく行き来が体力的に楽であること。
- 自由設計であること
こどもの頃からの夢であった、自分で企画した自由設計は外せませんでした。
理想に近い建売住宅もありましたが、自分ですべて決めるという思いが強く自由設計は外せない条件でした。
ビビビと来たら買い!土地探しは恋人探しと一緒
家を建てる前にまず土地を確保する必要がありました。
購入のきっかけとなった、ヘーベルハウスの営業マンに土地探しの相談をしました。
営業マンは地元の不動産屋さんとも情報交換をしているため、まず営業マンに相談をすることをおすすめします。
自分でも地元の不動産屋さんをまわったり、空いている土地の持ち主に連絡を取ったりしましたが、条件に合致する土地がなかなか見つかりません。
今は買い時ではないのかと思い始めた頃、会社帰りに車で寄り道をした場所で、大規模な造成工事をしているのをみかけました。
条件にも合致する場所です。
一瞬で、直観的に「ビビビと体に感じた」のを覚えています。
次の日から7日間、昼と夜の2回ずつその場を訪れました。
昼夜の周辺環境を確認するためです。
「ここしかない!ここに家を建てたい!!」そう思える場所に出会ったのは、購入を決めた半年後のことです。
しかし、工事業者の看板を見るとダイワハウスと書かれています。
私が建てたいのはヘーベルハウス。
土地だけ売ってもらえないか、ダメ元でダイワハウスに電話を入れると、翌日すぐに営業マンが訪問してきました。
やはりその土地を購入するには、ダイワハウスで家を建てる必要があるとのことです。
しかしどうしてもヘーベルハウスで建てたい気持ちをダイワハウスの営業マンに相談すると、その営業マンはヘーベルハウスが建てられる土地の情報を提供してくれたのです。
二度目のビビビを感じました。
「なんて良い人だ」そんな営業マンの姿勢をみて、この人に任せても良いなという思いが強くなり、約2ヶ月後にダイワハウスで家を建てることを決めるわけです。
家づくりは建物を建てるだけでなく、「どこで買うか、誰から買うか」というところから始まっています。
100年後もこの思い出は忘れないでしょう。
その思い出の中に、この人に任せて良かったと思えることも理想の家づくりのひとつだと私は思います。
迷ったら営業マン!ハウスメーカーの選び方
最終的にダイワハウスで家を建てることを決断しましたが、主に4社とやり取りをしています。
- ダイワハウス
大規模な造成を多く手掛けていて、条件の良い土地確保が魅力的です。
建物は鉄筋・木造も手掛けていてオールマイティな対応でバランスの取れたメーカーです。
定期点検やメンテナンス対応もきっちりやってくれています。
土地・建物・メンテナンスまでの提案がニーズに合致するのです。
我が家の坪単価は最終的に約60万円。とても満足しています。
- ヘーベルハウス
ALCコンクリートの四角い造形、屋上のある家がすごく好きです。
もともと購入意志を伝えたこともあり、間取りや設備など具体的な提案をたくさんいただきました。
ただどうしてもヘーベルハウス自体は建物販売の会社ということもあり、条件に見合った土地の確保がネックとなりました。
見積もり時の坪単価は約80万。我が家が見積もったハウスメーカーの中ではやや高い印象です。
- パナホーム
汚れにくく雨水でクリーニングできる外壁タイルが魅力です。
ただ知人から紹介された営業マンはかなり若く、展示会の案内ばかりで土地提案がなく早い段階で選外となりました。
10年経てば外壁も汚れます。
パナホームだったらなと思います。
見積もり時の坪単価は70万。外壁タイルを標準のものにすれば、60万円台になる見積もりでした。
- ミサワホーム
蔵という発想で、収納スペースの作り方が他社とは違った魅力で候補に入りました。
※【参考】住宅展示場巡り
タマホーム
【住宅ローン公開】タマホームでマイホーム購入!350万値引きに成功した体験談
住友林業
住宅ローン20年は無理!20代妊娠前に建築した住友林業の注文住宅で大成功
ダイワハウス
へーベルハウスからダイワハウスへ変更!100年後も快適なマイホーム購入計画!変化するライフスタイルに適応する設計プラン
ミサワホーム
40代主婦の義父母とのミサワホームで建築した二世帯住宅体験談!キッチンが一緒?収納が少ないのも絶対イヤ! 欲張り主婦の二世帯住宅購入物語
元ハウスメーカー営業マンの体験談
元ハウスメーカー営業マンのマイホーム購入体験談!勢いで走り抜けた我が家の家づくり!
ただ担当営業マンが夜間や休日に連絡なく訪問したり、私の不在時に家に上がり込んだりということもあり早々に選外となりました。
見積もりを取りませんでしたが、営業マンいわく坪単価は一般的な家で70万前後とのことです。
それぞれハウスメーカーは特色や得意分野がありますが、大手ハウスメーカーであれば大抵のことは同様に実現することが可能というのが私の実感です。
よって、やはり購入決断の最後の決め手は、「営業マンの人柄やフィーリング」です。
後々こちらの意図を汲んでもらえず、ハウスメーカー主導で建てた家に問題が生じたとき、後悔するのは自分自身です。
現に、工事開始の間際に建坪拡大と外構レイアウト変更という無理を、営業マンから通してもらうこともでき、それまでの価値観に固執せず、柔軟なハウスメーカー選びは正しい判断だと今も思っています。
ライフスタイルの変化に柔軟に対応できるか?
こどもが増えて、ゆくゆくは親との同居もありえる、また自身の老後というライフスタイルの変化と設備の老朽化を考えると大小必ずリフォームが必要です。
その時に、一番家を知っている同じハウスメーカーにお願いをするのが費用・保証の観点からも安心です。
その点で、リフォームに関する提案があったことが、ダイワハウスを購入する大きな決め手のひとつとなりました。
他の業者でもリフォームは可能ですが、ダイワハウスにはリフォーム専門会社があり、大きなリフォームも費用・保証で柔軟な対応が可能で、メンテナンスから一貫して行ってもらえることが大きかったです。
常識を疑え!失敗しないレイアウト
家づくりにおいて、最も妥協したくなかった点は、「生活スペースを最大限にする」こと。
使わないスペースや無駄なスペースを、一切作らないと決めていました。
ひとつは廊下。
部屋と部屋を隣り合わせれば、それだけで部屋を広くすることができます。
掃除もとても楽です。
次に吹き抜け。
とてもかっこいいです。爽快です。気持ちよいです。
ただ貧乏性の私にはその空間がもったいなく感じてしまいます。
リビングの吹き抜けスペースなら、二部屋は作ることができます。
そこに書斎をつくることもできます。
収納だってできます。多目的広場だってできちゃいます。
そして広々とした客間。
そんなに頻繁に泊まりに来ることはありません。
3畳あれば一晩なら数人くらい寝ることができます。
さらにはバルコニー。
補足
バルコニーとは、ベランダに似ていますが、2階以上の外に出ている、屋根のないことを言います。(2階以上、屋根なし、手すり付き)
またベランダとは、建物の外に出てあり、屋根が付いていること。 雨の日でも屋根があるので洗濯物を干すことができます。
(屋根がある、歩けるスペースがある)
絶対に必要だと思っているスペースですが、本当にそうでしょうか?
洗濯機を1階に設置した場合、2階まで持って上がるのは以外に面倒です。
その結果、庭で干す選択肢も出てきます。
2階の各部屋に大きな窓を設ければ布団も十分に干せます。
リビングを2階にするなら尚更です。
バルコニーのメンテナンス費用は以外に高額です。
床に敷いた防水シートが高くつくのです。
常識だと思っているスペースが、本当は必要ないものであることもあります。
自由設計の場合、レイアウトに始まって、コンセントの位置から壁紙に至るまで、たくさんの選択を迫られます。
考えすぎて頭がポッカーンとなるときもありますが、「それ、本当に必要?」と常識を疑ってみてください。
洗濯物を干さない我が家の大きなバルコニーは、現在、掃除の時間とメンテナンスの費用を費やす空き地と化しています。
以外にかかる!メンテナンス費用
たくさんの選択肢を組み合わせ、ようやく設計図と見積もりが完成します。
いよいよ本契約というときに、父親に購入を反対されました。
28歳とまだ若く、父親の目には勢いで家を購入しようとしている様に映ったのでしょう。
実際そうですが。
住宅ローン返済はできるのか?
「メンテナンスにも大きな費用がかかるんだぞ」と延々と父親の説法が続きました。
ダイワハウスの購入物件の概要は、
土地58坪・建物39坪の4LDK。
予算は4000万(土地1500万・建物2500万)。
予算というより成り行きでその費用です。
頭金は100万しかなく、残りの3900万円がローンとなるわけです。
当初は労働金庫で借入し、3年固定2.2%、月々約8万円の支払いで、ボーナス時約30万円の返済を35年間。
10年毎に大きなメンテナンスがあります。箇所によって若干異なりますが保証期間が10年。また10年を保証してもらうためにもメンテナンスが必要になります。
メンテナンスの内容は大きく3つ。
外壁塗装・バルコニー防水・シロアリの発生を予防する防蟻工事です。
我が家の費用は約300万円です。
父親が心配するのも無理はありません。
しかしどうしても家を持ちたかった私は、やっていけると啖呵を切って契約書に判を押したわけです。
10年経ってメンテナンスで大きな費用が必要になったときは、父親のアドバイスをもう少し聞いて、資金計画やファイナンスの知識を勉強しておくべきだったと思いました。
でもあの時購入していなければ、今の生活がないわけで、購入したことに後悔はありません。
やっぱり安心!フェイスtoフェイス
啖呵を切って契約を済ませると、そこから完成までは本当に早かったです。
工期は実質3ヶ月半。
営業マンからは差し入れはしなくても良いですよと言われましたが、田舎育ちのため、どうしても職人さんにはお茶を出す習慣が染みついています。
1日置きに職人さんに飲み物を持っていきました。
職人さんと顔を合わせることで工事は順調なのか、問題はないのかなど現場から直接情報を知ることができるので、安心して完成を待つことができます。
また自分がこれから住む家ですから、どのように作られていくのかを見ておきたいという気持ちもあったと思います。
毎日でなくても、数日に一度は現場を訪れて、自分たちが住む家をつくってくださっている人の顔を見ておくと、「大切にしなくちゃね」という気持ちも湧いてきます。
多目的がカギ!快適住まいを維持する方法
購入を決めてから約13か月後の2006年9月、無事に引き渡しが完了しました。
あれから10年以上が経った今の成功した点は大きくは2つ。
- 最小にした客間を2階にしたことで、1階に広いリビングスペースを実現
- リビングに設置した多目的スペースは、ピアノ設置に対応
大きくしたリビングは、お客様の応対用としても活用できます。
こどもの友達が10人来ても問題なく遊べるスペースを確保できました。
今後は大きな部屋の壁を活かして、プロジェクターを設置しようと思います。
また、こどもがピアノを習うことになり、アップライトピアノを購入しました。
グランドピアノ程大きくはありませんが、リビングに設置するとやはり大きく居住スペースが縮小します。
そこでリビング内に設置しているクローゼット型の多目的スペースにピアノを設置。
リビングスペースはそのままに、ピアノを使わないときはクローゼットを閉めておくこともできて快適さを保っています。
逆に失敗した点・改善したい点もあります。
- 部屋数を増やせばよかった
- 駐車スペースからの動線を検討するべきだった
- バルコニーの活用方法をもっと検討すべきだった
こどもは2人の計画でしたが、その後3人を授かることになります。
ですが、用意したこども部屋は二つ。
こども部屋の対応が今後の課題です。
こども部屋にロフトを設けておくか、小さくても後一つ部屋を用意しておけば、たとえ使わなくても物置や書斎として多目的に活用できたと後悔しています。
次に、駐車スペースから家への動線は全く盲点でした。
重い荷物の積み下ろしが多く、掃き出し窓を駐車スペース側に設けておけばもっと積み下ろしが楽だったと感じています。
そして洗濯の動線。
先述のとおり、バルコニーは妻が洗濯物を干しやすいように大きいスペースを取りましたが、ほとんど使われていません。
妻の洗濯作業の動線は、1階の洗濯機から2階のバルコニーではなく1階の外にある駐車スペースです。
メンテナンスにかかる費用が大きいバルコニーは検討の余地が大きいです。
理想の家は変わる!変化への対応が理想の家をつくる
現在マイホームの購入を検討されている皆様、それぞれに外観・間取り・設備など理想の家があると思います。
想像しただけでワクワクします。
ただ10年を経て感じることは、自分の理想ってその時々で変化しているということです。
理想が変化する度に、家を建て替えることはむずかしいことです。
でもそんなときに柔軟に対応できる家であれば、常に愛着を持って過ごすことができます。
「本当に理想とすることは何か?」
「絶対に譲れないものは何か?」
ということを考え、起こり得る変化に柔軟に対応できる家づくりをすることが、常に理想の家であり続けるためにとても重要です。
いつまでも愛着を持って住まわれる、理想の家を建てられることを願っています。