オーストラリア在住の40代専業主婦S様から、オーストラリアでマイホームを購入した体験談の紹介です。
家族は小中学生二人の子供と夫(オーストラリア人)との4人家族です。
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目次
異国情緒満載のオーストラリアについて
オーストラリアはとても広い大陸なので場所によって気候は様々です。
私の住む地域はクイーンズランド州でも少し下に位置するので、四季は結構はっきりしていています。
冬は結構寒くなりますが、それでも朝晩の一番低い気温は10℃前後くらい。
しかし昼間の太陽の下はいつも暖かいので、年中半袖の人もよく見かけます。
いろんな人種の集まっている国なので、子供達の学校にも色々な人種の生徒が居て宗教も皆さん様々違うのが普通な感じです。
ただ私の住む近隣の方はみなさん白人のオーストラリア人の方ばかりで、アジア人なのは私だけかもしれません。
物価は日本に比べれば、特に人件費のかかるようなレストランやカフェやパブなどの外食は高いですね。
カントリー地域なのでメインストリートのお店は、日曜日は殆どが閉まっていたりスーパーマーケットが5時くらいで閉まったりしますが、みんなそれに合わせて行動しているので全然困ったりしません。
日本みたいな24時間コンビニエンスストアとかは勿論ないです。(汗)
週末は家族でBBQしたり旅行やキャンプに行ったり近くの湖へ行ったりして過ごしてるような状況です。
オーストラリアでマイホームを持つ意味
数年前から何度も旅行や短期滞在でオーストラリアへ訪れ、いつもホテルや賃貸に滞在していました。
生活の基盤をオーストラリアに置こうと決めたとき、当然のごとく賃貸ではなく持ち家を想像したのです。
こちらの住宅は日本のように新築でも一度住んでしまうと「価格がすぐに下がってしまうということはない」ので家を持つという意味は日本とは少し違うかもしれません。
オーストラリアでは家の価値は下がらない。
そして土地価格は上昇する。
この二点から多くの人が不動産としての財産をキープしています。
新居の場所選び1 都会それとも自然があふれる田舎どっちなの?
短期滞在をしていた際に、よく不動産屋さんのパンフレットや店頭の広告から色んな物件を見て来ましたが、最初に大まかに決めた事はオーストラリアでもどの辺りに住みたいのか?を念頭においていました。
そしてシティエリアがいいのか、カントリーエリアがいいのか。
日本では都会に住んでいたこともあり、歩いて行ける距離になんでも有りとても便利だったのですが、そんな都会生活よりも自然いっぱいの場所に住んでみたいという希望がずっとあったのです。
子供の頃から動物が大好きで、いつもたくさんの動物に囲まれた生活をしたかった私が選んだのは、もちろんカントリーエリア。
そして寒さが苦手なので冬でもあまり寒くなく、いつも旅行で訪れていてなんとなく雰囲気の判ってる場所での新居探しを希望していたのです。
私にはどうしても譲れない条件がありました。それは犬3匹が飼える程度の庭があるマイホーム。
日本から連れて行く愛犬3匹が一緒に住めることは必須条件でした。
この時点ではまだ新築物件や中古物件など、様々な家をネットで検索したり、実際に物件を見に行ったりしていました。
新居の場所選び2ー直感
新居を構えるのにどこか良い場所ないかな?とあてもなくドライブしていた時、道路でカンガルーに出会ったのです。
日本では考えられない、こんな「野生のカンガルーの居る場所に住みたいな」と強く惹かれたこともありました。
オーストラリアのカントリーエリアではカンガルー、コアラ、ウサギ、シカ、ポッサムなどの動物や他にも様々な野鳥などが野生で暮らしています。
その周辺には新興住宅地のようなところがあり、少しづつ新しい家が何軒か建設されていたけどまだまだ発展途上な感じでもあります。
そして建設中の家も完成して出来上がっている家も、みんなとても素敵な住宅ばかり。
しかも新しい住宅地なので、全て地下電線で電気が来ているので本当に空が広いのです。
そこには区画され売り出されている土地を買い、日本の注文住宅と同じように、自分の好きな家を建てるという形で素敵な住宅街が建設されているところでした。
売りに出されてる土地は、殆ど「3000㎡~5000㎡くらいの広さ」、日本では考えられません。
この広さなら庭も充分取れるし、犬が居てもお隣ともよい距離感が保てます。
学校やスーパーマーケット、カフェや病院などのある街の中心部まで、車で5~10分の便利な立地でもあります。
「ここだ!」と直感的に思った後、すぐに土地を購入しマイホームを建築しようと決めました。
土地のオーナーになるということ
早速そこに売り出されている一区画4000㎡弱の土地を選び購入しました。
日本の坪数で言えば、約1200坪くらいで、オーストラリアではいたって標準サイズの広さになります。
土地選びの注意点は、土地の位置が窪地になっていないということ。
周りの土地よりも低くなっていると、大雨が降った時に浸水する危険があるのでよくないのです。
あとは隣の土地に、もし既にどなたか住んでいるとすれば、どのような隣人か挨拶をしてチェックするのも良いのではないでしょうか。
そしてもう一つ重要なのは、土地が何もない平地なのか、それとも丘のような場所なのかどうかです。
そして伐採しなければならないような大きな木がないか。
私の買った土地には、数十本のユーカリの木があり、家が実際に建つ場所とその周辺の木は個人で業者に頼んで根っこから抜いてもらったり、草を刈ってもらったりしなければなりません。
住宅建設会社が建築の際に、ついでに木も抜いてくれるかな?と思っていましたが、日本の様なサービス的なものはなく、そんなに甘くはなかったです。
これもまた土地購入後にかかる費用としてプラスされます。
土地のオーナーになれば、土地の手入れは全部個人オーナーがやらなければいけないことなので結構大変です。
そして土地購入の時点から、まだ家が建ってなくても水道管を引いてるだけで水道料金がかかってきたりもします。
住宅建設会社との契約
この頃、私はまだ日本に住んでいたので来豪の度にいろんなディスプレイホームを見に行き、どこの住宅建設会社のどんなプランの家にするのか、何か書類が要るごとに日本とオーストラリアを行ったり来たりして、とにかく新築する家のプラン選びに忙しく過ごしました。
私達はわりと大きめの住宅建設会社を選び、100件近いデザインの中から自分たちに合うデザインを選び抜きました。
間取りは4bedrooms, 2living rooms +outdoor living room, 2shower and bathrooms, double garage.
日本の言い方だと6LDKみたいな感じだと思います。
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マイホーム購入費用について
新築一戸建ての住宅費用約$370,000
※オーストラリアドル1ドル87円、日本円にして約3,200万円
土地4000㎡($150,000-現金購入)
建物270㎡(建物価格$220,000-頭金$50,000入金)、
残金$170,000をANZ銀行ホームローン、
30年、変動金利5.06%、月々10万円返済
付帯工事費用は今のところプラス約$30,000くらい(以下外回り工事についての記述あり)
だいたいの大まかな価格ですがこちらで一番驚いたのは住宅ローンの金利です。
出来れば現金一括購入したいところです。
その後は、屋根の色からブリックの色、外壁の色、ドアのスタイル、ベンチトップのシーザーストーン、水回りのタイル選び、電気配線まで全て相談しながら選びました。
シーザーストーンとは、バスルームや洗面所、キッチンをはじめ美観と耐久性に優れた大理石で、商業施設など様々なところで使用されています。
デザインやスタイルは、それぞれの好みで良いと思いますが唯一これはやっててよかったなと思うのは、やはり天井の高さを高くしたこと。
天井を通常の家よりも高くするだけで、夏でもエアコンなしで家の中はかなり涼しくなります。
そして家のフレームはスチールフレームに。
木製フレームにすると、やはりシロアリが心配だという住宅建設会社の提案もあり、より安全なスチールフレームを選びました。
住宅建築開始
購入した土地の名義変更手続きを終えてから、土地を綺麗に整地して新築する家のプランやデザインを全て最終的に決めて、やっと建築開始というところまで結局一年くらいかかったと思います。
私がまだ日本に居た事もあり、契約書類等のサインや取り決めが思うようにスムーズに出来なかったこともあり、かなり時間がかかりました。
そしてやっと建築が始まる頃、私は既に日本からオーストラリアに移住していたので、建築する土地の近くに賃貸で家を借りて住み、毎日建築状況を見に行く事ができたのです。
基礎のコンクリートが入ってからフレームが建てられ、すぐに屋根が付き、それはもうあっという間に家の形になりました。
結局すごく時間のかかった建築開始までの一年間でしたが、建築始まってからは4ヶ月くらいで新築の家の鍵の引き渡しがされました。
注意したい家の建築価格ーオプション価格
家の建築価格で注意したいのは、オプション価格です。
先に述べた天井を高くする事やスチールのフレームにすることなどもオプション価格になります。
私達がデザイン関係でオプションをつけたのは、ベンチトップのシーザーストーンのレベルを上げたこと、キッチンのキャビネットのラミネート板を全て光沢の有るタイプにしたこと、あとはトイレにもともとついてない電気配線を引いた(ウォッシュレット用)こと。
この3点だけでも、かなり通常金額に上乗せされたように思います。
デザインのオプション選びは、どんどん高額になっていくので要注意です。
あとこちらで販売されている住宅価格には、床(ラウンドリールーム、トイレ、バスルーム、シャワールーム以外の部屋のフローリング、タイル、カーペット)、ドライブウェイ(ガレージから前の道路にでるまでのコンクリート)ポーチ(玄関外のコンクリート)、アウトドアリビングの床(コンクリート、タイルまたはウッドデッキ)などが含まれていません。
これは全部オプション価格で。住宅価格にプラスされていきます。
そしてこれがまた、とても高額オプション価格なのです。
建築価格を抑えるために自分達でできること
私達は建築価格を抑えるために、ドライブウェイやポーチのコンクリートは個人で数社のコンクリート業者に見積もりを取り、その中の一社にお願いをしました。
その他の床は、全て掃除のしやすいタイルが良かったので、自分達でタイルを引きました。
そんなことどうやって?と思うかもしれませんが、タイル材料一式とタイルカッターなど、一通りのタイル職人の持つ道具が揃ったら、案外自分達で出来るんです。
タイルは大量にありますので、4回に分けてトレーラーでタイル屋さんから運びこみました。
そしてアウトドアリビングのウッドデッキも自分達で材料を買ってきて、下に基礎を造りコンクリートを流し、固定してウッドデッキを完成させました。
なんでも自分達でやれば出来るのですが、日本ではまずなかなかそういう事はないですよね。
私もこちらの家を通して、凄く貴重な体験と知識が身につきました。
新築物件と中古物件の違い
自分達で土地を選び、住宅のデザインも全て選び、最終的には自分達で造り上げ完成させていく家はやはり感慨深いです。
ただ庭が広いと庭の管理がとても大変。
新築物件と中古物件の差は、ここが一番大きいかもしれません。
庭が出来上がっているのは勿論、中古住宅です。
一から作らなければならないのは、新築住宅です。
家が新築されたあとの住宅周りの状態は、なにもない地面ですので、非常に殺風景。
まず周りの土地をなるべく平坦にしてもらうために、私達は数回ラウンドスケープの業者に来てもらい、土地をなるべく平らにならしてもらわなければなりませんでした。
庭が広いと、こういうプラスコストがかかってきます。
そこにダンプカーで大量の土を運び込んでもらい、家の周り全体に敷き詰めます。
そして大量の芝を運び込んできて、引くという作業はかなり大がかりで大変です。
この作業を自分達で出来なければ、人を雇ってやって貰う事も出来ますが、更なる出費になるでしょう。
土も芝も大量に必要になり、それだけでもかなりの高額になるので、私達は自分達だけでやりました。
中古物件の場合は、この作業はまず要らないでしょう。
この違いはかなり大きいと思います。
新築だから出費が嵩むものは他にもたくさんあります。
ラウンドリーの物干台も自分で取り付けなければ最初からはありません。
土地周りのフェンスや門、あと郵便受けなども全て自費出費になります。
こういうものが自分で出来なければ、業者に頼むしかなく更なる高額出費になります。
こちらでは大きなシェドが、広いバックヤードにある家が殆どですが、新築の場合それは最初からはないのでシェドも建てなければいけません。
平たく言えば単なる物置なのですが、こちらのシェドは大きいので、業者に頼む人が殆どだと思いますが100~200万円くらいがスタンダードだったりします。
こういう家の外周りに、どんどん出費が嵩むのが新築物件です。
そういう出費がかからないのが中古物件です。
建築後の更なる出費を考えれば、「中古物件のほうがラクなのかもしれません。」
しかし私は思いの通りに計画し、何もない更地から家が建つまで毎日見守れたし、更に快適に暮らせるように、自分達で造り上げて行けるこの過程が好きなので、家を新築にして良かったなと思います。
マイホームを楽しむということ
次の計画は、まだシェドのないバックヤードに、大きめのシェドを建てること。
私達のマイホーム新築計画は、ずっと続行していて、何年経ってもきっと終わらないと思います。
そうやってどんどん自分達の理想の家が出来上がって行く過程を楽しめるのが、マイホームなのではないのしょうか。